熱中症で最初にすること涼しい場所・体を冷やす・水分補給・救急車の判断を解説

緊急時の判断について
熱中症が疑われるとき、最初にすること
熱中症は「少し休めば大丈夫」と自己判断して対応が遅れると、重症化するおそれがあります。最初にすることは、商品を探すことではなく、作業や運動を止めて、涼しい場所へ移し、体を冷やすことです。意識がない、自力で飲めない、症状が改善しない場合は救急要請が必要になります。
職場・現場・学校・イベントでは、誰が判断し、誰が救急要請し、誰が冷却用品を持ってくるかまで、あらかじめ決めておくことが重要です。この記事の後半では、再発防止・現場の備えとして、衣服、塩分補給、アイススラリー、工場扇・スポットクーラー、応急セットも紹介します。
熱中症で最初にすることは「作業を止めて涼しい場所へ移す」
まず作業・運動をやめさせる
本人が「大丈夫」と言っても、無理に作業を続けさせないことが大切です。めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、こむら返り、大量の汗、ぼーっとするなどのサインがあれば注意します。建設現場、工場、倉庫、イベント設営、学校活動では、周囲が早めに作業を止め、班長・現場責任者が「作業中止」を判断しやすいルールをつくっておきましょう。
涼しい場所へ移動させる
エアコンの効いた室内、日陰、風通しのよい場所、休憩所などへ移します。夏場の車内は高温になる場合があるため注意してください。移動後は一人にせず、必ず誰かが付き添います。厚生労働省・環境省も、熱中症が疑われる人を涼しい場所へ避難させることを応急処置の最初の行動として案内しています。
次にすることは「衣服をゆるめて体を冷やす」

首・脇の下・足の付け根を冷やす
衣服をゆるめ、ヘルメット、ベルト、安全帯、上着などを必要に応じて緩めます。特に、太い血管が通る首の周り、脇の下、足の付け根を、保冷剤、氷、冷却材、濡れタオル、送風などで冷やします。女性や子どもの衣服を緩める場合は、同性の救護者が対応する、目隠しをするなどの配慮をしましょう。
体温上昇を止めることが重要
熱中症は、体に熱がこもり、体温調節が追いつかなくなることで悪化します。体を冷やす対応が遅れると重症化のリスクが高まります。工場扇やスポットクーラーは、日ごろの作業環境や休憩所を涼しく保つのに役立ちますが、応急処置の場面では「その場で体を冷やす」「救急要請の判断」を優先してください。
水分・塩分補給は「意識があり、自力で飲める場合」に行う
自力で飲めるなら水分・塩分を補給する
水だけでなく塩分も補うことが大切です。経口補水液、スポーツドリンク、塩分補給食品などが使えます。一度に大量に飲ませず、少しずつ補給します。腎臓や心臓などの疾患で水分・塩分の制限がある場合は、医師の指示に従ってください。
意識がない・吐き気がある・自力で飲めない場合は無理に飲ませない
意識がない人や吐き気が強い人に無理に飲ませると、嘔吐や誤嚥(気管に入ること)のおそれがあり危険です。自力で水が飲めない場合は、飲ませることより、涼しい場所への移動・体の冷却・救急要請を優先します。
緊急時の判断について
救急車を呼ぶ判断|迷ったら重症化を前提に動く
すぐ救急車を呼ぶべきサイン
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 意識がない | すぐ119番 |
| 呼びかけへの反応がおかしい | すぐ119番 |
| 自力で水が飲めない | すぐ119番 |
| けいれんがある | すぐ119番 |
| まっすぐ歩けない | すぐ119番 |
| 体が熱い・汗が止まっている | すぐ119番を検討 |
| 休んでも改善しない | 医療機関・救急要請を検討 |
| 嘔吐がある | 無理に飲ませず医療機関へ |
職場では「誰が119番するか」を決めておく
緊急時に動けるよう、役割を事前に決めておきます。発見者が現場責任者に報告し、責任者が救急要請を判断。別の人が冷却用品・応急セットを持ってくる、別の人が搬送経路を確保する、同時に会社・学校・イベント本部へ連絡する、記録を残す——といった分担です。厚生労働省も、職場での熱中症予防(クールワークキャンペーン等)を通じて、責任体制の確立を呼びかけています。
現場で使える「最初の5分」対応フロー
0〜1分|異変に気づいたら作業を止める
声をかける/作業を止める/周囲に知らせる/一人にしない
1〜2分|涼しい場所へ移す
日陰・休憩所・空調のある場所へ移動/無理に歩かせない/意識がない場合は119番
2〜3分|衣服をゆるめて冷やす
首・脇・足の付け根/保冷剤・氷・冷却材・濡れタオル/風を当てる
3〜5分|自力で飲めるか確認する
飲めるなら水分・塩分補給/飲めない・吐き気・意識障害があれば救急要請/改善しない場合も医療機関へ
再発防止には「暑さに備えた服装」を整える
通気性・透湿性・冷却機能のある衣服は、体に熱がこもりにくい環境づくりに役立ちます。ただし、着ていれば熱中症にならないという意味ではありません。WBGT確認、休憩、水分・塩分補給と併用することが前提です。現場作業者への会社支給としても検討しやすい選択肢です。
休憩と水分・塩分補給を現場ルールにする

休憩は「具合が悪くなってから」では遅くなりがちです。作業者任せにせず、時間で休ませるルールをつくり、休憩所に塩分補給品を置いておきましょう。カリカリ梅などは、休憩時の塩分補給アイテムとして取り入れやすい選択肢です。
作業前後の体温上昇対策にはアイススラリーも選択肢

アイススラリー(微細な氷の飲料)は、作業前や休憩時に体の内側から冷却を補助する「プレクーリング」の考え方で取り入れやすいアイテムです。建設現場、イベント、屋外作業、警備、学校活動などで使いやすい一方、医療行為ではなく補助対策です。体調や持病に不安がある場合は無理に摂取しないでください。
休憩所・作業場では体温上昇を抑える環境づくりも重要

応急処置では「涼しい場所へ移す」ことが基本です。そのためには、普段から涼しい休憩所や退避場所を用意しておくことが、初期対応のしやすさにもつながります。工場扇は空気を動かし、スポットクーラーは局所冷房に使えます。熱がこもる現場では、休憩所・作業台前・イベント本部などに冷却機器を配置しましょう。
冷却機器・工場扇




スポットクーラー
万が一に備えて応急セットを用意する

熱中症が疑われたときは、冷却材、タオル、経口補水液、体温計、連絡先表などをすぐ取り出せることが重要です。現場ごとにバラバラに管理すると初期対応が遅れがちです。応急セットを、現場・イベント本部・学校活動・部活動・工場休憩所などに置いておくと安心です。建設会社、イベント会社、学校などでも、備えとして検討しやすい選択肢です。
職場・現場で事前に決めておきたい対応ルール
発見者がすること
- 声をかける
- 作業を止める
- 涼しい場所へ移す
- 責任者に報告する
- 一人にしない
現場責任者がすること
- 救急車の判断
- 冷却用品の指示
- 家族・会社・学校への連絡
- 作業中止・交代の判断
- 記録
会社・主催者が準備すること
- 休憩所
- 工場扇・スポットクーラー
- 冷却衣服・塩分補給品
- アイススラリー・応急セット
- 報告連絡体制
朝礼・現場掲示で使える文例
朝礼文例
本日は気温・湿度が高く、熱中症に注意が必要です。 めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、強いだるさを感じた場合は、我慢せずすぐに近くの人へ知らせてください。 異変を見つけた人は、作業を止め、涼しい場所へ移動させ、現場責任者へ報告してください。 休憩・水分補給・塩分補給を時間で行い、体調不良を個人判断で我慢しないようにしましょう。
現場掲示文例
熱中症が疑われるときは、すぐに作業を止める。 涼しい場所へ移動する。 衣服をゆるめて体を冷やす。 自力で飲める場合は水分・塩分を補給する。 意識がない、自力で飲めない、反応がおかしい場合は119番。 一人にせず、必ず誰かが付き添う。
現場・イベント・学校の熱中症対策用品をまとめて確認する
衣服、塩分補給品、アイススラリー、冷却機器、応急セットなど、現場の備えをまとめて確認したい場合はこちらから。
熱中症対策用品をまとめて確認する →まとめ|熱中症が疑われたら最初に涼しい場所へ移し、体を冷やす
この記事の要点
- 作業を止める
- 涼しい場所へ移す
- 衣服をゆるめて体を冷やす(首・脇・足の付け根)
- 自力で飲めるなら水分・塩分を補給
- 自力で飲めない・意識がない・改善しない場合は救急車(119番)
- 再発防止には、休憩、衣服、塩分補給、アイススラリー、冷却機器、応急セットを備える
- 用品は補助であり、WBGT確認・休憩・水分塩分補給・作業時間管理と併用する
よくある質問(FAQ)
Q. 熱中症で最初にすることは何ですか?
最初にすることは、作業や運動を止め、涼しい場所へ移すことです。そのうえで衣服をゆるめて体を冷やし、自力で飲める場合は水分・塩分を補給します。意識がない、自力で水が飲めない、症状が改善しない場合は救急車を呼びましょう。
Q. 熱中症のとき、どこを冷やせばよいですか?
首の周り、脇の下、足の付け根などを冷やします。衣服をゆるめ、保冷剤、氷、冷却材、濡れタオル、送風などを使って体を冷やします。
Q. 熱中症の人に水を飲ませてもよいですか?
意識がはっきりしていて、自力で飲める場合は水分・塩分を補給します。ただし、意識がない、吐き気が強い、自力で飲めない場合は無理に飲ませず、救急車を呼びましょう。
Q. どんなときに救急車を呼ぶべきですか?
意識がない、呼びかけへの反応がおかしい、自力で水が飲めない、けいれんがある、まっすぐ歩けない、症状が改善しない場合は救急車を呼ぶ判断が必要です。迷う場合は重症化を前提に早めに対応してください。
Q. 職場で熱中症が起きたときは誰が対応しますか?
発見者が作業を止めて周囲に知らせ、現場責任者へ報告します。責任者は救急要請、冷却、搬送経路、会社や家族への連絡を指示します。事前に役割を決めておくことが重要です。
Q. 熱中症対策用品を用意していれば安心ですか?
用品は対策の一部であり、それだけで熱中症を防げるわけではありません。WBGT確認、休憩、水分・塩分補給、作業時間管理、体調確認、涼しい休憩所の整備と組み合わせることが重要です。
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